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検 証

流れは
あるのか

前のレースが荒れたら、次も荒れるのか。
約9年分の払戻を、隣どうしで並べて数えた記録です。

「今日は荒れてるな」

①が飛んだ直後に、こう言うのを聞きます。今日は荒れてる、流れが来てる、と。

荒れても堅くても、あとから理由は付けられる。それでは当たったかどうかを確かめようがないので、数えることにしました。

3,234日、421,699組

2017年10月25日から2026年9月1日まで、公式の払戻とレース結果を1日ずつ集めました。数えられたレースは474,126で、着順・決まり手・風・波まで揃っている範囲。

レース番号の順に並べた同じ日・同じ場のレースを、1Rと2R、2Rと3Rと、隣どうしで組にしていくと、421,699組できました。1日あたり130組を、3,234日ぶん積んだことになる。

分母から外したレースがあると番号が飛ぶので、そこはつなげずに切っている。切れたのは11,587か所で、この数字からは、その前後の組が消えています。

払戻の金額では、全レースを5つのグループに分けました。境目は1,060円、1,890円、3,610円、8,480円。

安いレースの次は、安い

ひとつ前が最も安いグループだったとき、次もいちばん安いグループだったのは25.06%。分母は83,295組です。

25.06%

安いグループの次も
安いグループ・実際

20%

安いグループの次も
安いグループ・偶然なら

何の関係もなければ20%になるので、20組のうち4組が揃うはずのところ、5組揃っていたことになる。

真ん中も見ておきます。3番目のグループのあと次も3番目だったのは20.37%(分母85,220組)、いちばん高いグループどうしは20.64%(分母85,110組)で、どちらも20%とほとんど変わらない。揃っていたのは、安い端だけでした。

端だけとはいえ、揃っていることに変わりはない。やはり流れはある、と思いました。

その揃い方の大半は、順番とは関係のないところから来ていました。

並びのほうを壊した

選手が何を考えていたかは、見えません。水面の状態は測りましたが、それだけでは足りない。見えるのは、並びだけです。

だから、並びのほうを壊しました。

その日その場の12レースを取り出し、結果だけをその中で入れ替えて、それを1,000通り作ると、その日に起きたことは全部そのままで、順番だけが偶然になった日ができあがる。本物とこの1,000通りを比べれば、順番に意味があったのかどうかが出ます。その日の風も、その日の番組も、選手の顔ぶれも、入れ替えでは動かないので、まとめて差し引かれる。

12レースしかない日の中で連続を数えると、何の関係がなくても数字は偏ります。その偏りも1,000通りの側に同じだけ出るので、これも一緒に落ちる。

剥がしていった

20組に1組ぶんの余りを、順番のせいだと言えるところまで剥がしました。

場の違い、1日の何レース目か、その日ぜんぶが安かったか高かったか、の3つ。この3つは、前のレースと関係がない。大村と戸田では安さが違い、朝の3レース目と夜の11レース目でも違い、その日が全体に安い日なら、隣どうしも自然に揃う。

残りは20%で、20組に1組ぶんの余りが、5組に1組ぶんの端数まで縮みました。ここまで剥がすのに、集計を7回やり直しています。

現場は「起きた回数」を見ている

一度、立ち止まります。

万舟が2本続いたことは、9年で9,123回ありました。3,234日で割ると、1日に2回か3回。どこかの場で、毎日それが起きている。

だから「今日は荒れてるな」と言える場面は毎日あって、現場で見ているのはこの起きた回数です。見間違いではありません。

こちらが見ているのは、別のもの。偶然でも何回起きるはずだったか、です。それが8,999回で、差は124回、9年ぶんで124回。

現場が見ているのは12レースの中の数本で、こちらが見ているのは421,699組を並べて均した姿なので、同じことを言っていても答えが違ってくる。12本の中では続いて見え、421,699組で均すと消えます。どちらも間違ってはいない。

4本続いた日は、何回あったか

万舟、つまり3連単の払戻が1万円以上だったレースは、9年で17.17%。4本続いた日は、何回あったと思いますか。

本数万舟
実際
万舟
偶然なら
最安
実際
最安
偶然なら
2本9,1238,999.012,17111,926.8
3本1,4821,406.72,8052,500.5
4本203222.7681555.9
5本3935.2185130.0

203回

万舟が4本続いた
実際

222回

万舟が4本続いた
偶然なら

203回です。偶然なら222回なので、実際のほうが19回、足りません。

万舟の側は、3本のところだけ偶然の幅をわずかに出たものの、4本では偶然より少なく、5本でまた少し多い。1を超えたり割ったりを行ったり来たりしていて、長くなるほど離れていく形にはなっていません。

安いグループのほうは違って、3本で1.12倍、4本で1.23倍、5本で1.42倍と、長くなるほど離れていく。5本続いたのは9年で185回で、偶然より55回ぶん多い。1年に直せば6回です。

同じ日を、同じように並べ替えて、同じ数え方で数えた結果、荒れは続かず、堅いほうが続いた。

「流れていた日」は指せない

では、流れていた日を1日でも指させるのか。40,840の日について、一つずつ「この日の並びは偶然か」を測りました。

偶然とは言いにくい日は2,236で、全体の5.5%。何もなければ2,042日なので、差は194日、1年に直せば22日という計算になる。

その22日がどれなのかは、分かりません。順番を付けようとすると上位に同じ数字が並んでしまい、1位から50位までが同着になります。流れは一部の日に固まってはおらず、40,840日ぜんぶに薄く均等に乗っている。

場ごとにも分けました。24場のばらつきは偶然の範囲に収まっていて、順位としては読めません。荒れやすい場は確かにあっても、流れやすい場は、この数え方では見つからなかった。

荒れた次は、堅いのか

流れの話には、反対向きの言い方もあります。

「荒れた次は堅い」

荒れを「①が3着までに入らない」と読み替えれば、これも数えられる。①が3着までに入らなかったレースは88,518で、これも同じように、続いた本数で数えました。荒れた次が堅いなら、続けて飛ぶ回数は偶然より少ないはずです。4本続けて飛んだのは、何回あったと思いますか。

本数実際偶然なら比
2本11,06710,438.11.06
3本2,4611,895.91.30
4本640355.21.80
5本13767.32.04

640回。偶然なら355回なので、だいたい5日に1回、どこかの場で①が4本続けて飛んでいます。

荒れた次は、堅くなかった。払戻では消えたものが、着順で出て、しかも長くなるほど比が上がる。さっきの万舟が行ったり来たりしていたのとは、形が違います。

決まり手のほうも見ました。逃げが続いた回数は、2本で1.01倍、3本で0.99倍、4本で1.01倍、5本で1.04倍。5本だけは偶然の幅を出ていますが、3本では偶然を下回っていて、向きが揃いません。隣どうしの決まり手が一致した割合は、421,699組のうち35.28%で、偶然なら34.86%。偶然の幅は超えていても、235組に1組ぶんの差です。

続くのは、①が飛ぶことまで。飛んだあと誰が来るかは、ほとんど続かない。

風なら説明がつくはずだった

残った20%が何なのかは、まだ分かっていません。優勝戦と準優の日を外しても消えず、1日の中の傾きを抜いても消えませんでした。

風だと思いました。

風は日の中で連続していて、隣り合うレースの風は、ほぼ同じ風。そして風は①を飛ばす。

12レースに直すと、飛ぶ本数が1.96本から2.65本に増える。場ごとの差を取り除いても形は変わらず、残差で見ても、−1.94ポイントから+2.47ポイントまで、きれいに並びました。波も同じで、0から1cmの16.85%(167,584レース)から、6cm以上の21.60%(25,327レース)まで、単調に上がる。

連続していて、①を飛ばす。これで説明がつくはずでした。

つきませんでした。

風が払戻の高い安いを動かす力は、散らばりを1,000としたときの1と少しなので、風が全部やったと仮定しても、残りの9分の1にしか届かない。波も、風向も、気温も、水温も、天候も測りました。6つ全部の上限を足して、ようやく残りの4分の1です。

水温は、1日のあいだ、隣り合うレースでほぼ完全に同じ値で、連続性ではこれ以上ない。それでいて、払戻への説明力は0.02%しかない。日の中で続いていることと、払戻を動かすことは、別のことだったわけです。

6項目を全部同時に取り除いても、残りは4%しか減らない。①が飛ぶところまでは条件が決めていて、その先は決めていません。

残りの20%には、名前がない

残った20%の正体は、測れていません。番組でも、日内の傾きでも、6つの条件でもなく、何であるかは、この記事では言えない。

2017年10月より前は入っていない。着順と条件がその日から揃うので、そこを起点にしました。潮も、うねりも、数字にしていないまま。

この数字は、2026年9月1日で打ち切っていて、日々の結果で更新することもない。

続くのは①まで

前のレースが荒れたから次も荒れる、ということはありませんでした。万舟の4連続は9年で203回で、偶然と区別がつかない。

続いていたのは①のほうです。4本続けて飛ぶのは5日に1回で、長くなるほど偶然から離れていき、風が強い日ほど、波が高い日ほど飛ぶ。そこまでは、並びに残っている。

けれど、①が飛んだあとに誰が来るかは、ほとんど毎回ゼロから決まっていました。

流れはある。
ただし、配当までは続かない。

この検証の数え方

どこから取ったか

払戻は公式サイトの「払戻金一覧」から、着順・決まり手・実測条件は公式のレース結果から取りました。両方が揃うのは2017年10月25日からで、2026年9月1日まで3,234日分。
分母の作り方は前回の検証と同じで、人気の順位が出ていないもの、中止・3連単不成立・同着を外しています。突合できたのは474,126レースです。

「隣り合う組」の作り方

同じ開催日・同じ場で、レース番号が1つ違うものだけを組にしました。場が違えば組にせず、日が違っても組にしません。
分母から外したレースがあると番号が飛ぶので、そこはつなげずに切っています。切れたのは11,587か所です。

「偶然なら」の作り方

同じ日・同じ場のレースを一つのまとまりとして、その中だけで結果を入れ替えます。まとまりをまたぐ入れ替えはしません。
1,000通り作り、そこから出た数字の平均を「偶然なら」として使っていて、乱数の種は固定してあるので、同じ手順なら同じ数字が出ます。

この作り方だと、その日に何本荒れたかは変わりません。変わるのは順番だけ。だから「その日は荒れる日だった」という理由は、本物と偶然の両方に同じだけ入り、差し引かれます。

連続の数え方

続いた本数は、いちばん長いところで1回だけ数えます。5本続いたときは「5本が1回」として数え、「2本が4回」とは数えません。

グループの分け方

払戻の金額で全体を5等分しました。境目は1,060円、1,890円、3,610円、8,480円です。万舟は1万円以上で、これは別の区切りとして扱っています。

「①が3着に入らなかった」とは

1着から3着までの3艇の中に1号艇がいなかったレースのことです。3着までが全て確定しているレースだけを数えています。

測った条件

風速・風向・波高・気温・水温・天候の6つです。風向は角度と、水面に対する向き(追い風・横風・向かい風)の2通りで測りました。
天候は晴・曇・雨・雪で、ごくまれに表記の対応が付かないものが8件ありましたが、率は出していません。

「流れの強かった日」を出さなかった理由

日ごとの偶然らしさは、その日の中で1,000通り並べ替えて測っています。上位の日は同じ値で並んでしまい、50位までが同着になりました。
順位を付けるには桁を上げて計算し直すことになりますが、そこまでして特定できるのは1年に22日ぶんなので、やめています。

割合を出さなかったところ

分母が300に満たない区分では、割合を出していません。
場ごとの数字も、1場あたりの組数が足りないので、順位としては読めません。

揃えていないもの

9年のあいだに選手も、モーターも、進入のルールも変わっています。季節も混ざったまま。
番組の組み方は数字にしていないので、その日の並びがなぜそうなったかまでは追っていません。

偶然の幅

「偶然なら」の1,000通りの中で、実際の値以上になった割合で見ています。万舟の続いた回数は、3本だけが偶然の幅をわずかに出て、ほかは幅の中に入っています。最も安いグループと、①が3着までに入らなかったレースは、3本から5本まで、どれも1,000通りの中に実際以上の回がありませんでした。
決まり手の一致率と、逃げが5本続いた回数は偶然の幅を出ていますが、逃げは3本で偶然を下回っていて、向きが揃いません。

図

すべてこの検証の集計から描いたもので、外部の画像は使っていません。内訳の図は、払戻の順位で測った隣どうしの揃い方を100%として分けています。

集計期間 2017/10/25 から 2026/9/1 / 3,234日・474,126レース・421,699組
出典:公式サイト 払戻金一覧・レース結果。この期間の数字は固定で、更新されません。

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